イーストマン・コダック社が経営破綻したのは「コンドラチェフの波」を見送ったからだという記事を見た。確かにコダック社はアナログからデジタルへの転換が遅れたのは事実である。コダック社はデジタルカメラを1975年世界で初めて開発したが、商品化に遅れてしまったのである。
「コンドラチェフの波」とは、何か?景気循環には4つの波が知られている。1つ目はキチンの波という約40ヶ月の短い周期の企業の在庫変動に起因するものである。2つ目はジュグラ-の波といわれる約10年周期の循環で、企業の設備投資に起因するものである。3つ目はクズネッツ
の波といわれ約20年周期の建設需要に起因するものである。4つ目はコンドラチェフの波といわれる約50年周期の技術革新に起因するものである。
コダックの場合、アナログカメラの技術において世界一の為、次世代のデジタル技術が来ることを知り、技術開発を行いながら商品化をためらったのである。そして10年遅れてデジタルカメラの着手にした日本勢が商品化を行い、今や世界の市場では圧倒的なシェアを誇っている。コダックの経営破綻は、絶頂期においても次世代の技術革新(イノベーション)には目を光らせ、一歩前に出ることの大切さを教えるものである。